ラ「ふぅ…まったく、ワル○ン博士も夜中に攻撃して来るなよなー」

 シナ○ン研究所に降り立った、二機のキャノピーが開き、二人は大きく溜息をつく。

パ「ほんとほんと…夜更かしは、美容の大敵だって言うのに!」
ラ「なーにが美容だよ…お前そろそろ、自分の事『可愛い』とか思うの、やめた方がいいぞ?」
パ「なぁんですってぇ〜? あたしが言ってるんじゃなくて、周りのみんなが言うだけよ!」
ツ「ほらほら二人とも…あんまり大声出しちゃ、ミントが起きちゃうビ…」
 ツイ○ビーは人差し指を立て、シーッと二人を戒めた。

ラ「おっと…そうだったな。しょうがない、今日の所は許してやるよ」
パ「許す、ですってぇ? あたしは何にも言ってないのに、お兄ちゃんが…」
ウ「二人とも、戦闘中でも帰ってきても、ケンカばっかりだビ…。この先、こんな事でいいんだビ?」
 ウイ○ビーも、呆れ顔で二人に溜息を投げ掛ける。

ツ「…なんだかんだ言って、これで上手くいってるんだビ。もう少し大人になったら、解ってくるビー」

 そして丸い機体は、自分達の帰る所へと歩き出す。
ウ「それにしても、二人が大人になった所なんて、想像できないビー」
ツ「言えてるビ、言えてるビ!」

 二機の声が遠ざかる頃、いつの間にか二人は、静かにそれを見送っていた。
ラ「なぁパ○テル…俺達、いつまでこんな演技してなきゃいけないんだ? 馬鹿馬鹿しくなってきたよ…」
パ「ダメよ、ダメ! 血は繋がってなくても、あたし達は家族なんだから。それに、マ○カだって…」
ラ「まーなぁ…。ま、しょうがないか」
 二人は、研究所の門まで歩きながら、さっきまでとはまったく違う会話をする。

ラ「あ〜、明日が日曜で助かったよ…。パ○テルー、なんか食いもんないか? 腹減っちゃったよ」
パ「ん、わかったよ。サンドイッチくらい、できると思う」
ラ「おーう、頼むぜ。よっと………あれ?」
 玄関の前に来たラ○トは、何度もカードキーを出し入れする。
しかし、ドアはピッタリと閉じたまま、何の返事も返さない。

ラ「っかしいな…エンジェルの奴、サボってんのか?」
パ「そんな訳ないじゃない…。起こさないように出撃したから、きっとグイ○ビーがロックしちゃったのよ」
 パ○テルは、ピッタリと閉じたそのドアを、恨めしげに見上げる。
パ「どうしよう…呼び出すと、起こしちゃうし。まいったなー…」
ラ「しょうがないな…俺の部屋から入るか」
パ「あ、そっか。別にドアじゃなくても…って、どうして入れるのよ?」
ラ「こういう時のため…に決まってんだろ」

 何とかラ○トの部屋の窓から潜り込み、二人は絨毯の上に靴を着ける。
二人が人知れず仲良くなってから、夜中に二人きりになる事などなかった部屋…。
パ○テルは、出来るだけ平静を装おうとしていたが、それはラ○トも同じだった。

パ「な、なんだかなぁ…これじゃ厳重にロックしてても、意味ないよー」
ラ「今日だけだって。だってツイ○ビーの奴、窓から迎えに来たんだぜ?」
パ「そう…なんだ………?」
 「…………」
ラ「…? どーしたー、パ○テルゥ」
 ラ○トは机の上を見つめて立ちつくすパ○テルの横から、覗き込むようにする。

ラ「げ………っ!」

 そこには、パ○テルの写真をB4程のサイズに引き伸ばし、プリントアウトした物があった。
相思相愛になった二人にとって、それはラ○トのいじらしくも純情な一面…のはずだった。

パ「おにい……ちゃん…」
ラ「ま、待て…悪かった! 謝るって…」
 パ○テルの頬は、蒸気が上がりそうなほど紅潮し、立ちつくしたポーズのまま硬直していた。
そこに写るのは、一糸纏わぬシャワーシーンのセクシーショット。本人がいつも言うほどではないが、
程良く発達した形のいいふくらみから、湯がしたたる下腹部まで、具合良く湯気が避けていた。

パ「お兄ちゃん……?」
ラ「は…ハイッ?」
 低く重い調子のパ○テルに、ラ○トの声が思わず裏返る。

パ「お兄ちゃん…えっちだもんね。あたしのこんな写真で…何してたのかなぁ?」
ラ「………そ、そりゃ…お前…」

 気まずい沈黙が部屋に充満し、お互いの鼓動の音が聞こえそうな気がした。

パ「あたし……お兄ちゃんの事、好きだけど…」
ラ「す……好きだけど…?」
パ「………あん、もう! 何言っていいのか、わかんないよ〜…」
 パ○テルは、両手で頬を擦り、自分の熱さを再確認する。

パ「…好きだけど…ね? まだアレは……したくないの…」
ラ「あ…アレ? アレって…どれだ?」
パ「だ、だからその…セ………お、お兄ちゃんのを…あたしの……に…」
 パ○テルは必死で言葉を探し、ますますゆで上がっていく。

ラ「な、なんだ…そんな事か。俺だって…無理矢理する気なんてないさ」
パ「でも…したいんでしょ? もし、マ○カが…
  『ラ○ト君…私だったら、いいよ…』 なーんて言ったら、どうするの?」
ラ「へ…っ? そ、そっ、そりゃお前…」
 正直者がいい事なのか、悪い事なのか…。ラ○トは、つい言葉を濁してしまう。

パ「ヤだ…やっぱり、ヤだよ…。あたしだけ、見て欲しいのに…」
ラ「ば…バカだな、大丈夫だって…。この写真のこと、許してくれたら…」
 ラ○トは、どさくさに紛れ覗きを正当化する。

パ「………ダメ…」
 そう言うと同時に、スルリとパンツが落ち、ピンクのショーツが露わになる。

ラ「ぃいっ!? パッ、パッ、パ、パ○テル…っ?」

 パ○テルは上着の合わせも開き、恥ずかしそうに視線を絨毯に落としていた。
パ「………い、入れなかったら…いいから…」
 かすかな声でそれだけ呟き、パ○テルはラ○トの胸に、そっと体を寄せた。
いつも近くにいながら、その柔らかさ、温もりはラ○トにとって、遠い存在だった。

 熱くなったラ○トの頭の中では、理性ものぼせ上がっていた。
薄く開いたパ○テルの唇にそっと口付けし、開いた指先は早くもブラを押し上げる。

パ「あんっ……は、恥ずかしい…お兄ちゃん…」

 『お兄ちゃん』と呼ばれる事は、ラ○トが罪悪感に苛まれる最大の原因だった。
しかし、いつもと変わらないその呼び方だからこそ、その状況をより淫靡なものに感じていた。

パ「ぁ…ふあ……んんっ」
 ラ○トは、髪を避けながら首筋をついばみ、手のひらでは弾力のある丸みを、丁寧にこね回す。
緊張しているせいか、立ったままの体勢で寄り添う二人…。
部屋の明かりは点いたままだが、さながらチークタイムのようにも見える。

パ「は…ふ………ぁうんっ?」
 ラ○トの指が、ショーツの中に滑り込んだ瞬間、パ○テルの肩がビクンと跳ねる。
その刺激にパ○テルは、咄嗟に目の前の胸にしがみつく。
パ「あっ…ぁふ………ひぃん…っ!」
 その指は、湿り気を帯びた谷間を、何度も往復する。
ショーツの上に、手の甲の形がいやらしく蠢くのが見える。

ラ「パ○テル……指なら…いいか?」
パ「ぇ…? えと、えと………い、痛くしないで…」
ラ「わかった、お前が『痛い』って言ったら、止めるから…」
 破裂しそうなほど高まったモノの代わりに、ラ○トの指は閉じた入り口を押し開いていく。

パ「ひ………く…っ!」
 痛みと不思議な感覚が、パ○テルの体を震わせる。
少しずつ進み、さらに狭くなった所に指が触れた瞬間、思わず中止の合図が漏れた。

パ「いた………っ!」
ラ「ぁ…わ、わりぃ、大丈夫か?」

 柔肉のまとわりつくような感覚を感じながら、濡れそぼった指がゆっくりと引き抜かれる。
パ「は……はぁ…はぁ……お、お兄ちゃん…ごめん…」
ラ「ば、バカ、お前…謝るのは、こっちだろ………って、おい?」
 パ○テルは、ペタリと座り込むとラ○トのパンツに手を掛け、一気にトランクスまでずり下ろした。

ラ「おっ、おい……ななな何を…っ!」
パ「今は……これで、我慢してよね…」
 意を決したように瞳を閉じたパ○テルは、恐る恐る手を添えたそれを、唇へと運ぶ。

ラ「くぅう………っ! はぁ…」
パ「ん………んん…っふ…」
 拙い舌の動き…出撃前、目的を果たせなかったラ○トには、十分すぎる程の刺激だった。

ラ「だ……ダメだ…っ! パ○テ……ルゥッ!」
パ「ん………ぐ…っ?」
 苦しげなラ○トの顔を、見上げた時にはすでに遅く…
パ○テルの舌に、喉に…白濁が、堰を切ったように溢れ出す。

パ「ぅぶ……ぷは…っ! けほっ! けほけほ…っ!」
 たまらず口を離したパ○テルに、容赦なく欲望のシャワーが襲いかかった。

パ「きゃう……んぶ…っ! あん……ヤだぁ…」
ラ「はぁ…はぁ……パ…パ○テル…」
 すべてを吐き出して、前屈みになるラ○トは、苦しげに息を吐く。

パ「はぁ…お兄ちゃん………苦しいの? それとも…気持ちいいの?」
ラ「はぁ…はぁ……気持ち…いいんだって…。あ、あんまり見るなよ…」
パ「へへへ〜……あたしの勝ち…だよね?」

 嬉しそうな顔で、パ○テルは胸に付いた精液をすくい取り、ペロリと舐めた。

パ「話に聞く通り…やっぱり変な味ー」
ラ「はぁ…はぁ……こんなの、勝ちも負けもないっつーの…」
パ「でも、お兄ちゃん…すっごく早くなかった?」
 悪戯っぽく微笑みながら、可愛く上目遣いをする。

ラ「ぬあ……ばっ、バカ! 今日はだな…出撃前に、してたから…」
パ「してたから…?」

ラ「う……うるさいっ! いざという時には、俺だってなぁ…」
パ「あ〜ん…ベトベトだよぉー! これ、洗うの大変だよー?」
ラ「………聞いてないだろ、お前…」

 まだ誰も知らない二人の夜は、誰もが知っているやり取りと、さほど変わらないように見えた。
二人が結ばれるかどうか…それはまだ、メローラ姫にも判らない事だった。


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